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ギターを抱いた渡り鳥

「1957年生まれ。1983~86年、ギターを抱いて渡り鳥となる・・・」
ニューアルバム「まほろば~思い出は月の光の向こう側~」のパンフレットには、プロフィールがこのように書いてありました。フォーク歌手の楠木(くすき)しんいちさんです。先日、突然僕の店に来てくれました。同行者は隣町のお二人。一人は真言宗の僧侶、もう一人は、自然保護に造詣が深く、僕が所属しているブナの森を守る市民グループ主催の「森のコンサート」に毎回参加してくださる方です。楠木しんいちさんと僕は初対面です。当日は釣りの愛好者たちの総会と懇親会で大賑わい。そんな中で楠木しんいちさんはギターを弾いて歌ってくれました。繊細なギターテクニックと優しい歌声。関東~新潟~石川県のライブツアーの途中だったようです。京都のライブハウスを中心に「あるときは街角で、河原で、祭で、アメリカで・・・」と、これもパンフレットの自己紹介です。
 
 音楽にはさまざまなジャンルがありますが、大音量でがなりたてるようなものを除けば、どんなものでも好きです。今年で早期退職をする小学校の先生からチェロを借りて練習を始めました。ギター・ウクレレ・三線(サンシン)と、弦楽器は手にしてきましたが、弦をこすって音を出す擦音(さつおん)楽器は初めてです。なにしろ大きい。よけいな力が入っているからでしょうか、ここのところ首筋から肩にかけてちょっと凝り気味です。
 チェロ所有者の先生はバイオリンを弾く人です。店には彼のバイオリンが一つ置いてあり、時々は僕のギターに合わせて弾いてくれます。もっとも、僕にはクラシック音楽の素養はありませんから、彼ができる曲を選ぶしかありません。ジャンルはおそろしく幅広くて、「船頭小唄」から「コーヒールンバ」「屋根の上のバイオリン弾き」など。メロディー譜にコードが付いていれば歌謡曲、タンゴ、ラテンからシャンソン、ハワイアンまで、なんとかこなせます。
 ところで、僕のチェロはなかなか音楽にはなりません。どこまで飽きずに練習できるか、根性が試されています。
 
「森のコンサート」はもう何回開催したでしょうか。ブナの森を伐採から守る運動が伐採計画撤回、生態系保存林の指定という、うれしい結果を受けて、ブナの森に親しむ活動の一環として始めたものです。村上市を流れる三面川(みおもてがわ)上流域のブナ林(猿田野営場)で行います。これまで、インドの民族楽器シタールの演奏を皮切りに、南米のフォルクローレ、アカペラ、津軽三味線、フルート、ギター、オカリナなどの演奏会をおこなってきました。僕もギターとウクレレで参加したことや、インドネシアの歌を歌ったこともあります。会場が市街地から車で1時間と遠いのですが、小鳥の声とせせらぎ、ブナの葉のそよぎが演奏に趣(おもむき)を添えてくれます。今年もまもなく開催へ向けて準備が始まります。森林浴と音楽浴。山菜たっぷりの味噌汁には参加者が舌鼓をうってくれます。

「ギターを抱いた渡り鳥」の楠木しんいちさん、今日はどこで歌っているのでしょうか。
 彼のニューアルバム「まほろば」から、「思い出は月の光の向こう側」の歌詞の一節です。
  
  明日の朝 僕は北へ旅立つ
  君はこの町に生きて アスファルトを旅する
  レールのない夢を ひとつ抱いてゆけるなら
  僕たちの旅は どこまでも
                 詩・曲 楠木しんいち

by yoyotei | 2010-04-05 19:53  

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