秋に・・・

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 夭夭亭のある細工町に居住する若夫婦である。この日は美人妻Nanaちゃんの実家へ子どもを預けての二人飲み会である。地元の建設会社に勤務するTadayoshi君とNanaちゃんは高校時代からの交際だという。そういえばTadayoshi君、高校の合格発表の夜、両親と一緒に飲みに来たなあ。合格したのを、おとうさんは泣かんばかりに喜んで、「おい、Tadayoshi!飲め!」と酒をすすめ、おかあさんは「バカなことをいうんじゃないよ」とたしなめて・・・。
 内心、それほど難関校でもないのになあと思いながらも、率直な親心に感動した。
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 Tadayoshi君は、ある「やんごとない人」と血脈を同じくしている。かつて、報道陣が彼の実家を取り巻いたことがあった。能力や環境などによって人は多様な人生を生きるが、この二人を見ていると、いまさらながらに「幸せ」ということを考える。
 同じ血脈にありながら、そのある人のことを私の恩師はエッセイで「princess」を「prison」に置き換えて憂えていた。
 Tadayoshi&Nana夫妻にとっては、そんなことはどうでもいいことのようだ。それがまた二人の好感度を高めている。 
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「魔界」は仏教用語というのを辞書を引いて知った。悪魔の境界。悪魔の住む世界。魔境。
 『雨月物語』(上田秋成)の「白峯(しらみね・しろみね)」に『「君かくまで魔界の悪業につながれて、佛土に億万里を隔給へばふたたびいはじ」とて、只默してむかひ居りける』とのくだりがある。

 ところでこの酒、黒麹・芋原酒で度数37度「魔界への誘い」とある。この酒を飲めば魔界へ誘われる。魔界は仏土から億万里も離れている。地獄へ真っ逆さまの酒なのである。恐ろしくて封を切れないでいる。送り主はあのAkariちゃんのイクメン親父だ。
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 曹洞宗山居林龍皐院の山門前に屹立している。「薫酒山門に容(入)るを許さず」と読むのが、もちろん正しい。だが、天の邪鬼はいつでもどこにでもいる。特に酒好きは無理やりに「許さずとも薫酒山門に容(入)れ」と都合よく読む。
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 カナディアン・ウイスキーを代表する「Crown Royal」、それもブラックラベルだ。カナダ・バンクーバー在住の、お隣の次男さんからいただいた。母のEmikoさんが他界される前後、私は一人で飲んでいた。コクがあって芳醇、うまいウイスキーだ。
葬儀が終わった後の、私の店での軽い集いでもみんなが少し口に運んだ。
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 カナダ土産には「Lulu Island」のアイスワインもいただいた。「Crown Royal」の何倍も高いと念を押されたので、もったいなくて飲めないでいる。

 飲めないというと、Emikoさんの二人の息子さんたちはほとんど酒を飲まない。Katsura先生もEmikoさんが入院してからは酒を断った。葬儀が終わっても、「飲む気になりません」ということだった。喪失感は深い。 
 
 
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by yoyotei | 2011-08-25 20:34  

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