インド旅
年が明けて、寒い寒いと身体をちぢこませていたら土浦のImaiさんから電話があった。石垣島の居酒屋で飲んでいるという。昨年末にはスペインに旅をし、クリスマスイブには私の店で飲んでいた、あのImaiさんだ。数日後、その石垣島から絵葉書も届いた。
旅先からの絵葉書を受け取るのはいいものだ。
宿の小さなライテング・デスクで書いたのだろうか。ベランダの籐椅子にもたれ、時折ワインでも口に運びながら書いたのだろうか。それともベッドに寝そべって・・・。
旅先の空気を風を匂いを、絵葉書が運んでくる。
そこで私も、過去のインド旅の写真を絵葉書に見たてて、便りをしたためてみる。
『タージマハルそばのゲストハウスにいます。隣はゲストハウスのマネージャーでイスラム教徒です。喫煙に嫌な顔をし、酒はないかと問うた私に、「とんでもない」と顔をしかめました。それでも酒屋の場所を小声で教えてくれました。乾季の北インド、土ぼこりの中をこれから買いに行きます』
『チョウメン(焼きそば)、ピザ、タンドーリーチキンなどの料理です。ここはニューデリーの「メトロポリス」というレストラン。インドに着いたときと、インドを後にするときに、決まってここでビールを飲んで食事をします。外国人旅行者が多い、インドらしくない店です』
『菜食レストランのオーナーです。私と同い年だそうですが、貫禄の差は覆うべくもありません』
『ゆで卵の入ったカレーと豆のカレー、キャベツの炒め煮、ヨーグルト、生きゅうり、アチャール(漬物)にライス。典型的なインド定食です。ヨーグルトをライスにかけて食べるには相当の抵抗があります』
『夜行寝台列車の中です。二人は姉と弟だったと思いますが記憶に自信がありません』
『ヒンドゥーの神々は絵になったり石像になったりしますが、こんな風に衣装を着せられた人形もあります。
黒い顔は女神カーリーです。シヴァの妃パールヴァティーの化身で、殺戮した敵の血を飲むのを好みます。しかも夫シヴァを足下に踏みつけています。
ブルーの衣装をまとった神は、手先が布で隠されているために持ち物が判別できませんが、三叉の戟(げき)や獅子に乗っていることなどから、ドゥルガーと思われます。こちらも武器を持って戦うシヴァの妃の荒々しい側面を現しています。
木の葉をまとった2体はブラフマーとビシュヌかと思われますがこれも確信はありません。
頭から赤いマントを被った神も特定できませんが、足下の左右に虎の一部が見えていることから、これもドゥルガーかも知れません』
『あまたのおどろおどろしい神々の中にあって、もっとも身近な「神」は牛でしょう。堂々として誇りすら感じさせる、こうした牛が悠然と町角にたたずんでいます。
インドの風と匂いが少しでも届きましたでしょうか。また便りをします』
寒いと暖かい所に思いをめぐらす。暑いと涼しい所を・・・。
この季節に南の島へ行くことができるImaiさんがうらやましい。
私はこの便りをコタツで、したためました。
旅先からの絵葉書を受け取るのはいいものだ。
宿の小さなライテング・デスクで書いたのだろうか。ベランダの籐椅子にもたれ、時折ワインでも口に運びながら書いたのだろうか。それともベッドに寝そべって・・・。
旅先の空気を風を匂いを、絵葉書が運んでくる。
そこで私も、過去のインド旅の写真を絵葉書に見たてて、便りをしたためてみる。
『タージマハルそばのゲストハウスにいます。隣はゲストハウスのマネージャーでイスラム教徒です。喫煙に嫌な顔をし、酒はないかと問うた私に、「とんでもない」と顔をしかめました。それでも酒屋の場所を小声で教えてくれました。乾季の北インド、土ぼこりの中をこれから買いに行きます』
『チョウメン(焼きそば)、ピザ、タンドーリーチキンなどの料理です。ここはニューデリーの「メトロポリス」というレストラン。インドに着いたときと、インドを後にするときに、決まってここでビールを飲んで食事をします。外国人旅行者が多い、インドらしくない店です』
『菜食レストランのオーナーです。私と同い年だそうですが、貫禄の差は覆うべくもありません』
『ゆで卵の入ったカレーと豆のカレー、キャベツの炒め煮、ヨーグルト、生きゅうり、アチャール(漬物)にライス。典型的なインド定食です。ヨーグルトをライスにかけて食べるには相当の抵抗があります』
『夜行寝台列車の中です。二人は姉と弟だったと思いますが記憶に自信がありません』
『ヒンドゥーの神々は絵になったり石像になったりしますが、こんな風に衣装を着せられた人形もあります。
黒い顔は女神カーリーです。シヴァの妃パールヴァティーの化身で、殺戮した敵の血を飲むのを好みます。しかも夫シヴァを足下に踏みつけています。
ブルーの衣装をまとった神は、手先が布で隠されているために持ち物が判別できませんが、三叉の戟(げき)や獅子に乗っていることなどから、ドゥルガーと思われます。こちらも武器を持って戦うシヴァの妃の荒々しい側面を現しています。
木の葉をまとった2体はブラフマーとビシュヌかと思われますがこれも確信はありません。
頭から赤いマントを被った神も特定できませんが、足下の左右に虎の一部が見えていることから、これもドゥルガーかも知れません』
『あまたのおどろおどろしい神々の中にあって、もっとも身近な「神」は牛でしょう。堂々として誇りすら感じさせる、こうした牛が悠然と町角にたたずんでいます。
インドの風と匂いが少しでも届きましたでしょうか。また便りをします』
寒いと暖かい所に思いをめぐらす。暑いと涼しい所を・・・。
この季節に南の島へ行くことができるImaiさんがうらやましい。
私はこの便りをコタツで、したためました。
by yoyotei | 2012-01-17 09:51