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さまざまな旅立ち

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 朝から自宅前の、寺への参道を頻繁に車が通る。葬儀か法事なのかと想像したが、乗客の服装がどうもちがう。振袖の二人が車から降り立ったのを見て、「ああ、結婚式」と気づいた。寺の娘さんが僧侶の婿をとることを聞いていたからだ。小さい頃から学校などへの行き帰りに、顔を合わせれば丁寧に挨拶をしていたあの娘さんの結婚式なのだった。本堂が紅白幕でおおわれている。披露宴はホテルで行なわれるのだろう。送迎用のマイクロバスも待機している。
 前日、ウグイスの初鳴きを聞いた。桜のつぼみも目に見えて膨らんできた。遅い春が本番を迎えようとしている。

 先週の日曜日は市議選の告示だった。5期目に挑む友人の立候補の届出、出陣式での激励挨拶、ポスター貼りと、朝から動き回った。毎夜のことながら、前夜もしこたま飲んで完全には酒が抜け切れていない。運転を代わってもらってのポスター貼りだったが、後部座席に乗っていたら車に酔ってしまった。途中で嘔吐するなど惨憺たる市議選の幕開けだった。
 
 午後からは、懐かしい流行歌や唱歌を歌う「歌声・村上」の例会で、「インドいろいろ」と題したトークをした。40分のトークは消化不良といった不満足な結果に終わった。「旅は古寺の釣鐘だ。撞木をつく人(旅人)によって浅い音も深い音も響かせる」を基本にすえて、「インドは自分を写す鏡であり、多様なインド世界をどのように語るかによって自分がさらけ出される」さらには「偉そうに話すな」「物知り顔で話すな」などと、心構えをメモにして臨んだのだったが・・・。これまで画像を使った話は何度か経験したが、トークだけというのは難しい。
 トークの前後では70人ほどの参加者といっしょに、約20曲を声を張り上げて歌った。参加者には知人や顔見知りも多く、年齢も近いせいか、なにやら同窓会のようでもあった。 

 「村上釣友会」の最若手メンバーが先週末に死去した。3年間、癌と戦った果ての最後だった。「会」の代表ということで弔辞を読んだ。誕生の3日目に父親を亡くし、3歳上の兄との母子家庭。兄は長じて他県住まい。地元に就職した彼は結婚しなかったため、長く母との2人暮らしだった。享年58歳。旅立ちの際に、愛用の釣竿が納棺された。本当に釣りが好きな人だった。
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 コートジボワール出身のJo(Joseph)さんとその妻(右)、妻の母上と3人での来店。
 私たちの世代は、かつて「象牙海岸」と言っていたコートジボワールだが、大西洋に面した西アフリカの国々については、ほとんど知らない。知らないというよりも知ろうとしなかった。
 ちょうど読んでいた本(『大江健三郎往復書簡 暴力に逆らって書く』(朝日新聞社 2003年)に以下のような記述があった。
「主としてヨーロッパが、次いでアメリカが、数百年以上にわたる征服と簒奪、隷属と略奪とによって、事実上アフリカを破壊してきた(略)。第2次世界大戦後、アメリカの政策立案者は世界の各地域にそれぞれの<役割>を割り振るさい、アフリカには関心がなく、ヨーロッパが自らの再建のために<利用する>よう差し出したのでした」(ノーム・チョムスキーから大江健三郎への書簡)
Joはフランス語はもとより英語も堪能。日本語たるや外国人訛り(?)もない。彼のことをよく知りたいと思った。
 
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 NorikoさんとYokoさん。
 YokoさんとJoさんの妻は同じ職場ということで驚いた。昨年末、施設長さんらと数年ぶりに来店したRyukoさんも同じ職場だという。世界は狭い。
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「夭夭亭」の真向かいは「もらい鈴」という店だ。その店で、かつて料理人をしていた調理師Junさん(左)と、現在の職場で共に働く栄養士のHisakoさん。「旅立ち」の気配が濃厚だ。
 Joさんの妻、Yokoさん、Junさん、Hisakoさん。偶然だがみんな老人介護施設で働いている。
 市議選5期目を目指す友人は、国民年金で入れる「特養ホーム」増設を訴えている。当市では入所待機者が502人もいるのに、3ヵ年の整備計画ではわずか58床しかないということだ。
 市議選で、友人は順位は下げたものの、4年前の得票に若干の上乗せをして当選した。
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 ヒマラヤスギに取り付けた巣箱から、小鳥が顔を出しているのを発見した。シジュウカラだと思われるが、見かけたのは1度だけ。偵察中なのかもしれない。子育ての場所に選んでくれると嬉しい。カメラを持ってうろうろしているが、いまだ激撮とはいかない。
 玄関側の、やや大きめに作った巣箱周辺でも小鳥たちの姿があった。楽しみである。

「村上野道クラブ」(佐藤由弘・主宰)が「お幕場・稲荷山ウオーク」をおこなう。実施日は4月29日(日)この日は神社の祭礼日なのだそうだ。参加者には新潟県最低山の登頂証明書ももらえる。参加費は300円、22日までに申し込む。(0254‐53-4856)
 ちなみに登頂済みの私はすで証明書を持っている。

「しんちゃん」の長男が進学先へ旅立ったそうだ。先週末、職場の場の人たちと来た「しんちゃん」の奥さんから聞いた。少しさびしそうだった。
 長男Kei君は旅立ち前に父「しんちゃん」と来店。物怖じしないで、しっかりと話をするKei君に40数年前の自分を重ねた。「ガキだったなあ(自分)、大人だなあ(Kei君)」

 厳しい就職戦線のなか、ようやく仕事をゲットしたMさんが、その直後に彼と別れたという。
「何かを得れば、何かを失うって本当ですね」
 電話の声は笑っていたが・・・。
 これもひとつの旅立ちか・・・。 
   

by yoyotei | 2012-04-17 07:56  

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