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バラが咲いた

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 しばらくブログ更新を怠っていたら、早や6月も半ばを過ぎた。
 我が家のピンクのバラはかつてないほど多くの花をつけたが、自らの花の重みでうなだれている。雨にあたると重みはなお増す。すっと立ち上がってひとつだけ花をつけたバラが、むしろ端然として美しい。
 梅雨に入ったが、まとまった雨が降らない。梅雨の中休みならぬ、「梅雨のズル休み」だとラジオが言っていた。もっとも西の方は豪雨だったようで、台風の襲来も伝えられている。
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 このブログでも何回か登場してもらったY.Itagakiさんが率いる農業集団の若きホープKoji.Ikedaさんだ。ちょっとはにかんだ笑顔が初々しい。独身だがそろそろ身を固めたいところ。(なんだか表現が古いなあ)
 先日、映画「恋するトマト」を見た。2度目だったが、やはりラストシーンが泣かせる。現実は映画のようにはいかないだろうし、本当の難しさはあのラストシーンから始まるにちがいない。
 食糧自給率39%の日本。環太平洋連携協定(TPP)参加ともなると13%にまで下落するとの試算がある。農業環境は依然として厳しいが、作物の生長や収穫を喜び合うパートナーが欲しいよね。
「恋するトマト」は、大きな挫折を経ながら、異国の地でうまいトマトを育てようとする農業者のひたむきさがベースにある。「いざという時には、私たちには土と水と太陽があるからだいじょうぶ!」という映画の中のセリフ。人が生きるための最も根源的なものを問いかけてくる。それにしても、日本の農業はなぜこれほど政治に翻弄されるのか。Koji君28歳、0型さそり座、いい男だよ!

 かねがね思い続けていたのだが、男から見たいい男と、女から見たいい男に、大きな隔たりがあるのは、どうしてなのだろうね。男でも女でも、同性からの評価が高い人は、信頼度も誠実度も高いと思う。
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 昨年の秋のツーショット。二人が久しぶりに顔を見せてくれた。すでに同居を始めて、入籍まじかということだった。この日のポートレートは撮らなかったが、居合わせた客たちが、妻になる彼女の可愛さ若さに驚いた。実年齢は・・・、まあいいか。夫婦仲良く、幸せになってね。円満の秘訣?あったらこちらが教えて欲しいよ(笑)。
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 こんな時には夭夭亭に来てはいけないと言いながら来てしまった男子二人と女子二人だ。Satomi&Marikoさんは初来店。今後の展開はいかに・・・。
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 Mayaさんが持参してくれたスコッチ「ジョニー・ウォーカー」のスイングボトルだ。ボトルの裏に「TAX・FREE」のシール。近頃は珍しくなった免税品だ。ジョニーウォーカーといえば、かつては高級スコッチの代名詞。なかでも黒ラベルはジョニ黒と呼ばれて1万円もした。スイングボトルはそれよりもハイクラスだった。ビンが前後にスイングする。こちらが酔ったせいではない。
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 こちらのカップルは福島からのショートトリップ。陶芸家の後藤さん夫妻。福島訛りの穏やかな語り口。原発のこと、陶芸のこと。短い時間だったがいろいろ話した。日本のヒゲ面男は、一見ワイルドだが心の優しい男たちなのだ。後藤さんの作品はブログ「風花画廊」で見ることができる。
 
 この夜、後藤さん夫妻は市内の「井筒屋」に宿泊。「井筒屋」は松尾芭蕉が「奥の細道」の旅の途中二泊した宿として有名。国の登録有形文化財にも指定されている。一晩に一組しか客を取らない宿でもある。

 ところで、芭蕉が「奥の細道」に出発したのが5月16日ということで、この日は「旅の日」なのだそうだ。しかもこの日が誕生日だという、あの佐藤さん(「村上野道クラブ」主宰)が誕生記念の「ニューヨーク一人歩き」を敢行してきた。自宅に帰るより先に店に直行してくれた彼からホットな旅の話を聞いた。
 タクシー運転手に偽50ドル札をつかまされた話など、こちらもブログ「村上の野歩」に詳しい。
 それにしても、佐藤さん、世界中を歩き回っている。
 2008年にインドに同行した際、佐藤さんに誘導されて歩かないように気をつけていたのに、いつの間にかニューデリー駅前からインド門まで歩かされた。大量の薬を飲んで体調を整えながら、「歩け!歩け!」の日々を送っている佐藤さんだ。
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 こちらは茨城県土浦の今井さん。昨年暮れのイブコンサートに来店。今年1月には旅先の石垣島で、当地出身者が働く「辺銀食堂」を訪ねたり、居酒屋で出会った燕市の青年に夭夭亭を紹介したり・・・。頂戴した似顔絵入りはがきには私のことを「自分を生きる教祖様」とあった。年頭に「自分を生きる」と偉そうに宣言したものだから、出来もしないのに汗顔の至りである。年頭というと今井さんからの年賀状で、お年玉の切手が当たった。幸運の年明けではあった。
 この度は秋田からの帰路に村上に立ち寄るとのこと。この人もジッとしていない。
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 私はカナヘビとトカゲの区別ができない。これはカナヘビか。<形はトカゲに似るが更に細長い。体は暗褐色、または暗緑褐色・・・>(広辞苑)とある。 
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 五月半ば、新潟市で見た夕日である。風景は違うが、南インド・ゴアの海岸で見たアラビア海に沈む赤い夕日を思い浮かべた。「赤い夕日よ燃え落ちて~」、昭和34年(1959)小林旭が歌った「ギターを抱いた渡り鳥」だ(西沢爽・作詞)。そうか、夕日は燃えて落ちるのか。一日を燃焼し尽くして眠りに落ちる・・・。そんな日がこれまでにどれほどあったことか。夕日を眺めていると寂寥感とともに、なにやら焦燥に似た感情が湧いてくる。

 休みの夜、団塊世代が4人で飲んだ。1人が、90歳になる母親を日光に連れて行った時の話をした。「もう無理だ」と石段の途中で足を止めた母親に、「負ぶされ」と彼は背中を向けた。もちろん生まれて初めてのことだ。
「おふくろ照れちゃって、がんばって登るっていうんだよ」
 話しながら彼の眼に涙が滲んだ。聞いていた3人も眼がじわっとなった。3人にはもう親はいない。
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 紫陽花の季節になった。 

by yoyotei | 2012-06-19 12:14  

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