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日めくり日録①

10月1日(金)2本だけ残っていたのを吸い終わって禁煙状態に入る。禁煙宣言などという大げさなものではない。410円では買わないというだけのことだ。1日2箱820円はなかなかの出費になる。健康のためではなく経済が禁煙を余儀なくさせた。周囲にも同じ動機の禁煙者が数人いる。

3日(日)孫娘が通う保育園の文化祭に行く。園児用の小さい椅子に腰掛けてラーメンやカレーを食べる。1991年、初めてのインドで泊まった「久美子ハウス」(バラナシのガンジス河沿いにあるゲストハウス。オーナーの奥さんが日本人の久美子さん)で出されたカレーを思い出す。長くインドを旅してきた若者の1人が「やっぱカレーはこれっすね」と感嘆しながらパクついていたが、一緒に食べた日本人全員が納得した。カレーはつくり方で優しい穏やかな味にもなるし、強烈で獰猛な味にもなる。「久美子ハウス」のカレーは前者の味だった。カレーの本場インドで日本風のカレーを懐かしみ絶賛する、その構図がおもしろい。今になってあのときの若者は涙ぐみながらカレーを食べていたように思う。
 娘の話では保育園のバザーのカレーは給食職員が調理したものだそうだった。真っ黄色でニンジンやジャガイモもしっかり入っている。「だれがなんと言おうと、わたしは私。わたしも正真正銘のカレーなんです」。そんな声がカレーそのものからも聞こえてきそうだ。医食同源は中国だけの専売特許ではないとインド人はいう。香辛料はいわば生薬であって、身体の調子によって香辛料を調合するのが伝統的なインド料理だ。保育園バザーの優しい味のカレーは心を穏やかにしてくれる。癒しのカレーというところだろう。
その後、「新潟ふるさと村」へ行く。県内の物産販売やイベントがおこなわれている常設の施設だ。花畑ではおびただしい種類のダリアが咲き誇っていた。ダリアという花は小学生頃の写生の花だったりした記憶があるが、菊などと混同しているかもしれない。和名「天竺牡丹(てんじくぼたん)」とあったが原産はブラジルだそうだ。
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    「世の中を憂けく寂しく病む人ら暫し茲に居れだありあの園」<伊藤左千夫>

7日(木)市民ネットワーク主催の「施設見学」、今回はゴミ処理場と汚水処理場。20人ほどの出席者。担当者の懇切な説明を受けた。昼は会員手作りの芋煮で昼食交流会。温泉にも入ってちょっと昼酒も飲んで・・・。
8日(金)映画『いのちの山河』上映 第二回実行委員会
   11月25日の上映会にむけて本格始動。『いのちの山河』は、長く無医村であった岩手県沢内村で、生命尊重の理念を掲げる村長とともに「豪雪・多病・貧困」の三悪克服をしようと立ち上がった村民のドラマだ。”いのち”に格差があってはならないというフレーズが気に入っている。とりあえずは10月26日の無料招待試写会を成功させること。 

11日(月)次女に誘われて「いいねっか村上」のイベント会場へ。前夜の雨でぬかるんだ臨時駐車場で泥まみれになったが、会場の市民球場には1万人を超える人たちで賑わっていた。露天、地元の物産販売にステージパフォーマンスなど、企画運営に当たった実行委員会の意欲やご苦労も想像できた。顔見知りや知人とも出会ったりして、「やあ、やあ」「おう、おう」との軽いあいさつが飛び交った。
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12日(火)映画『いのちの山河』を後援してもらった市や教育委員会、社会福祉協議会などに招待状を届けに回る。
  
13日(水)ブナの苗木30本の掘り起こし作業。17日に植樹するための事前準備だ。
チリの鉱山落盤事故で、地下700mに閉じ込められた作業員の引き上げが始まった。8月5日の事故発生から69日ぶり、同22日の生存確認かr5ら52日ぶり。尋常ではない閉所恐怖症の私は事故発生から気が気ではなかった。近くの小学校の校庭の100mのコースを眺めてはこの7倍もの地下深くなのだと、何度も恐怖の想像をした。カプセルでの救出の模様をテレビで見たが、作業員にとっては「奇蹟の脱出」なのだ。しかし、私にはあの救出用カプセルに入ることでさえ恐怖だし、パイプの中を700mも引き上げられるあの時間も耐えられそうにない。
 地下での彼らを励げましたのは家族との絆だったとか。かつて南極の越冬隊に日本の家族から届いた電報に、簡単でありながら万感胸に迫り、隊員たちを無口にさせたものがあったという。その電文は「ア・ナ・タ」の3文字だけだったそうだ。救出された作業員のエピソードは、愛人がらみがあったりでかまびすしい。ラテン系の彼らにだって「アナタ」の呼びかけは伝わっただろうが、「ア・ナ・タ」だけで思いが充分に伝えられる感性や情趣はきわめて日本的だと思う。

14日(木)この朝、初めてズボン下をはいた。レギンスというとかっこいいと言ったのはだれだったか、呼び方を変えたところでねえ。昼頃には脱いだが、寒さが下半身から上ってくるのは年のせいなのだろうね。
 前夜の客が忘れていったショールを職場に届けに行った。その客はその職場の女性所長である。受付で来意を告げていると玄関前に彼女の姿。「忘れ物を・・・」「ありがとう。わかっていたのよ」「ショールでよかったですよね」「パンツははいてきたわ。裏返しだったけど・・・」
 もちろん冗談だが、そんな会話を若い職員が聞いていることを承知の上で交わせるウイットが、私は好きだ。20年近い付き合いである。産婦人科のベテラン医師であり、思春期感染症予防などの啓蒙活動をしている彼女の話は、あからさまで小気味がいい。  

15日(金)若い女性客がお一人でご来店!ここのところちょっと珍しい。「初めていらっしゃいましたか?」と、当然ながら話しかける。「はい」との返答。なにやら面接をしているようだが、その後の会話においても品のいい姿勢や受け答えに乱れがなく、行儀のよさを感じさせる。もっともこの夜、その女性はアルコールなしだったから・・・。その後は常連さんの乱入で・・・。”なっちゃん”と呼ぶことを許してもらった。
16日(土) 映画『いのちの山河』実行委員会事務局会議。無料試写会の招待客の選定が主要なテーマとなる。

17日( 日) ブナの植林。市内中心部から車で1時間かけてブナ植林場所へ行く。一帯は広範なブナの国有林だったが、伐採されていることが分かって私たちを驚嘆させた。それほど奥地の伐採だった。20年も前のことだ。10人ほどで研究会を立ち上げ、伐採反対運動へと狼煙(のろし)を上げた。運動は全国的な広がりを見せて、わずか2年で伐採計画撤回、生態系保存林指定となって決着した。だが、一部伐採された跡地や道路敷設の際の残土投棄によって無残な傷跡をさらした部分があった。私たちは畑を借りてブナの苗木を育て、植樹することを続けている。
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 作業を終えてからは飲み会が深夜まで続いた。かつてのあの運動は酒がエネルギーだったかもしれない。

18日(月)知人からジーンズを貰った。ウエストサイズをまちがえて79cmのものを買ってしまったという。私はウエストサイズ79cmでこれまできたが、着用してみたらかなりきつい。禁煙すると太るとは聞いていたが、まだ18日目でこのありさまだ。40年間もの体型維持は煙草のおかげだったのか!

 6年間在籍した大学の同窓会長から電話。24日に同窓会員が村上城址を訪れるのにともなっての現地説明の依頼だった。城跡保存育英会に連絡をとると代表理事が快諾して引き受けてくださった。代表理事とは市町村合併問題や市民ネットワークなどで協同してきている人である。「あなたの依頼であれば・・・」という理事の言葉に、恐縮しながらも人とのつながりを嬉しく実感した。

 ”ギターを抱いた渡り鳥”楠木しんいちさんから封書の便りが届いた。8月は関東、9月は北海道でのライブツアーだったらしい。彼と話すと気持ちがピュアになる。私が憧れながらできないでいるシンプルな生活を彼は実践している。

神様どうかちょっとお待ちを、今まいります
わたしのお荷物は背負っていかねばなりません
別に好きこのんで背負っているわけではないのですが・・・
いいえ、背中にのったこの家に不満なわけではありません
けっこう役に立つものですから
けれど主よ、おわかりくださることでしょうが
年中、運んで歩くとなるとなかなか重いものです  
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詩なのか何なのかわかりません。ネットサーフィンをしていたら見つけた文章です。<カメの祈り>
とありました。
19日(火)家中の灰皿を集めてみた。禁煙を機に処分する人もいるらしいが、そこまでする必要もあるまい。故人の形見もあるし外国土産もある。孫の手づくり無名異焼は佐渡旅行の土産だ。
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by yoyotei | 2010-10-21 07:03