天高しシャガールの絵の青よりも

 この前のブログの最後に「暑さはやわらがない」と書いた数日後、やわらぐどころかいきなり10度以上もの気温低下。ご近所さんたちとの朝の挨拶は「寒いですねえ」に変わった。
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 近所の借家に一人で住んでいるKさんは76歳。車を運転しない彼を乗せてホームセンターへ行ったのはいつだったか。その日、彼は何点かの買い物の他に、ミニトマトの苗を買った。玄関先にプランターを並べ支柱を立てて成長を楽しみにしていたが、腎臓疾患が見つかり入院手術という事態になってしまった。その間、これも近くのアパートで一人暮らしをしているOさんが管理を引き受けた。猛暑のこの夏、65歳のOさんはミニトマトやその他の鉢植えのために朝夕欠かさず水を運んだ。
 トマトが赤く熟してもKさんは病院にいた。Oさんは見舞いがてら赤くなったミニトマトをもいでは病院へ持参した。時々は私のところへもOさんは届けてくれた。
 3日前「これでおしまいだよ」と、Oさんが最後の10数個を持ってきた。
 Kさんは片方の腎臓を摘出し、もう片方は放射線の治療を受けている。順調なら11月頃に退院の予定だ。
 このミニトマト、肉を焼くときなどに丸のまま一緒に焼く。生で食べるよりも数倍も甘みが増してうまい。
 私の町内では65歳以上174人のうち、30人が一人暮らしだ。
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「2011年3月11日、亡くなられた方々が本当に伝えたかったことは何だったのでしょうか。ふるさとを追われ、無念の思いで日々を暮らしている人々の痛みは・・・。見えない、聞こえない・・・。原発事故についても(中略)正直よくわからないのです。わからないままこれでいいのかと思いながら・・・。でも忘れてしまうことはできない・・・」
 9月23日『東日本大震災関連ドキュメンタリー/連続上映&トーク』(「映像から暮らしと環境を考える会」主催)の試写会での、発起人で世話人代表・中倉睦子さんのあいさつの一部だ。訥々としているが、彼女のおもいが胸に迫る。
 彼女は27年間にわたって駅前で小さな学習塾を営みながら、介護度4と5の両親を在宅で世話をしている。
「経済より命、と思って暮らしてきたのに、目の前のうんことおしっこの始末に追われて大切なことを置き忘れていたように思えてしょうがなかったのです」
 この日の試写会には20数名の参加があった。10月21日の第1回は映画『無常素描』(大宮浩一・監督)を見る。トークテーマは『復興へのこころざし~怯えを保つということ』。ゲストスピーカーには伊藤夕佳さんを迎える。彼女は福島から新潟市へ避難し、現在カフェを営んでいる。ナビゲーターは普済寺住職。
 会場の200席をできるだけ埋めたい。
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「世界中を歩く人」佐藤由弘さんが脚を腫らした。病院で蜂窩織炎(ほうかしきえん)と診断された。おどろおどろしい病名だが、そんなに珍しい病気ではないらしい。快方に向かっているというから、佐藤さんはまた歩き始めるだろう。風が爽やかな季節になった。 
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「顔立ちは生まれつき、顔つきは作るものよ」(白洲正子『白洲次郎・正子/珠玉の言葉』から)
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 タイトルの「天高し・・・」は著名な俳人稲畑汀子の句。
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by yoyotei | 2012-09-27 11:48  

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