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食文化

あゆさん、早速のブログイン(?)ありがとう。歓迎、歓迎、大歓迎です。少しづつですが、このブログがにぎやかになって嬉しいかぎりです。
そう、「蛸」はおいしい。捕獲したら食べてあげる。これは功徳であり、生きとし生きるものの食物連鎖の運命です。
もっとも、萩原朔太郎は、詩人としての才能が枯渇する恐怖を、自分の脚を食べつくして消滅する蛸に重ねたのではないかと思われます。

ところで、私たち日本人は新鮮な魚や生きている魚を見て、「うまそうだな、刺身にしたら最高だろうな」など思ったり言ったりします。肉食文化が広がってはきても、牧場の牛を見て「ステーキにしたらうまいだろう」とか、豚舎でブヒブヒ鳴いてる豚を見て、急にトンカツが食べたくなるということは、まあありませんよね。
しかし、肉食中心の食文化で育った人たちは、生きた牛を見て食欲を刺激されると、聞いたことがあります。
本当かどうか、今度確かめてみます。

そういえば、トンカツ屋さんの看板で、コック帽をかぶったかわいらしい豚さんが、ナイフとフォークを持って、ペコちゃん人形のように舌を出して「うまいトンカツだよ。どうぞ食べていってください」と言っているようなのがありました。
考えてみると、笑えないよね。

# by yoyotei | 2009-11-22 19:42  

蛸と酒

しんちゃんの友人が蛸人間だと聞いて、萩原朔太郎の詩を思い出しました。タイトルも「蛸」だったと記憶していますが、違うかもしれません。散文詩なので内容しか覚えていません。

水槽の中に一匹の蛸が入れられています。餌を与えられない蛸は空腹に耐え切れず、あるとき自分の脚を食べてしまいます。そして次の日も、また次の日も。蛸は自分の脚を食べ続けます。すべての脚を食べつくしてしまった蛸はどうなったのでしょうか。
詩の結末は、蛸は水槽の中で忽然と消えてしまった、とありました。

「生きるということは、己(おのれ)を喰らうことだ」との、萩原朔太郎の思いが伝わってきます。
重体だった蛸人間さんは、回復されてよかったですね。彼はまだ自分を食いつくしてはいなかったのです。
彼には自分を生きさせる命の糧が貯蔵されていたのでしょう。

酒が飲めなくなった蛸人間にくらべて、どうやらかなりの酒好きらしい洋子さん。
どうぞ、ふらっと飲みにおいでください。夭夭亭は洋風の店ですが、地酒はおいてあります。当地には極上の酒があります。お望みなら濁り酒も用意しますよ。飲み仲間も呼び集めましょう。女性一人だって気にすることはありません。近くには日本海に面した「瀬波温泉」もあります。

# by yoyotei | 2009-11-21 19:55  

憂愁のパリジャン

忘れていました、「通好みのイケメン」。
しんちゃんをビジュアル的に表現するのは難しいのですが、「振り向いたモンゴル人」なんていうのはどうでしょうか。
「憂愁のトルコ系パリジャン」とか。
でも、やはりしんちゃんは「含羞の猛者」「心優しい勇士」、そして「永遠の求道者」。
かっこよすぎるか?

ところで、ずいぶん前だけど、しんちゃんと一緒に飲みに来て、いつの間にか消えてしまった人がいたよね。覚えていますか?
「変なやつだから、トイレの窓からでも出て行ったんですよ」
そして、しんちゃんはトイレの窓を確かめに行きました。
「これくらいの窓ならあいつは出て行きますよ」
しんちゃんは、そう言いましたが、僕は今でも彼は煙のように消滅したのだと思っています。
だって、あれ以来彼を見ていないのですから。

ということで、今回は酒飲み百態、酔っ払い百態。

その①
中年の女性二人組。一人は地元に住んでいる僕の知人で、お連れさんはひさしぶりに帰郷した彼女の友人。
陽気な酒で飲むほどに二人のテンションが上がっていきます。
突然、お連れさんがカウンターの椅子から、ズルズルッと崩れ落ちました。驚いて声をかけても応答はなく、床の上にのびてしまった状態です。知人はさほど驚いた様子もなく、「しばらく寝かせておけば」。
「いいのかな」と僕。
やがて、閉店時刻。お連れさんはマグロ状態で床に横たわったままです。
「家族でも呼ぼうか?」「だれもいないの」
タクシーを呼びましたが、さすがに断られました。
しかたなく、バイトの青年と僕とで、店から500メートルほどだという住居まで運ぶことにしました。僕も飲んでいるので車は運転できません。背負おうにも正体をなくした中年女性。どちらかというと肥満タイプ。どうにもなりません。一人が上半身を抱え、一人が脚を持って運ぶことにしました。
丸太ならまだいい。しかし、正体のない人間は丸太よりしまつが悪い。彼女の重い腰が沈んで、地面を引きずり状態です。しかも、徐々に衣服がめくれて下着まで露出してきます。見かねて知人の女性が直します。
深夜の路上を、引きずっては道端に横たえて衣服を直し、僕と青年は荒い息をついて汗をぬぐう。
何度もそれを繰り返した頃、パトカーが通りかかりました。
急停車したパトカーから、ふたりの警官がバタバタと駆け寄ってきました。
「なにをしているんだ!」警官は血相を変えて詰問します。
それはそうでしょう。深夜の路上に衣服を乱した女性が横たわり3人が取り囲んでいるのです。
まあしかし、事情を話せば警官も納得。しかし、そういうときにパトカーは運んではくれないのですね。
翌日、店に行くとドアの取っ手に菓子折りがぶら下がっていました。
「お世話になりました。重かったでしょう」のメッセージを添えて。

その②
何度か来店していた、こちらは50代のちょっとわけありっぽいカップル。ふたりとも寡黙で、とくに男性の方は、ほとんどしゃべりません。
その男性が、何を思ったか靴を脱ぐとカウンターの上にあがりました。カウンターの上には電灯がぶら下がっていますが、男性は器用にそれを避けながら踊り始めたのです。ちょうど阿波踊りのように中腰になって両手を右に左にかざします。しかし、それでも男性は無言なのです。彼の耳にだけ阿波踊りの熱狂が聞こえているようなのです。僕も周りの客もあっけにとられるばかりです。
しかし、さらに驚いたのは連れの女性の態度でした。普通であれば彼を阻止するでしょうに、顔色ひとつ変えないで、踊る彼を見るでもなく平然としているのです。
僕の短くない飲み屋稼業の歴史の中で、カウンターに上がって踊ったのは彼一人です。
おそらく、その男性は酒を飲むとそうした癖を披露することがよくあったのでしょう。連れの女性はそれを知っているから平然としていたのでしょう。
でも、酒場のカウンターの上ですよ。陽気な酒飲みなら手拍子のひとつも出たかも知れませんが、陰気な人でしたから、ちょっと気味悪かったのも正直な気持ちでした。

酔態百話、まだまだ続きます。客の酔態だけでは不公平なので、いづれは僕自身の恥ずかしい話も。

# by yoyotei | 2009-11-19 22:56  

しんちゃんあれこれ

意外と内弁慶だというしんちゃん
僕はしんちゃんの武勇伝をたくさん聞いていますよ。もちろん、繊細な気配りをする人だということも知っています。空手の先生をしていること、あっ、ばらしてしまった!
「野蛮な純情派」「偽悪者ぶる善人」「越後田舎の都市的紳士」「恐妻家の家庭人」
しんちゃんを形容するフレーズが、つぎつぎと浮かぶのはなぜだろう。
ばらしついでに、にっしーさんは、僕の高校の同窓生です。
にっしーさんの「アフリカは?」という、しんちゃんへの問いかけはどういう意味なんでしょうね。

実は僕もアフリカには興味があるのです。
1991年にインドへ行く前、選択肢のひとつにアフリカもあったのです。
昨年のインドに同行した一人は、キリマンジャロにも登ったことのある人です。
その人の「アフリカ(このときはケニヤ)は交通の便が悪いよ」という一言で選択肢からはずれたのです。
この人のことはいずれこのブログで紹介することになると思いますが、イングランドを南端から北端まで歩いたり、日本100名山をすべて登攀したり、信濃川を河口から源流まで歩いたり。
つい先日は、青梅街道を何日間にわたって歩いてきたと言ってました。
当地でウォーキング愛好会「村上野道クラブ」を主宰しています。
先日、彼にこのブログ開設を知らせておきました。登場を期待しています。

# by yoyotei | 2009-11-18 22:50 | あれこれ  

角瓶、そしてインド

しんちゃん 先日は「サントリー角瓶」、発売当初の復刻ボトルありがとう。もうほとんど残っていません。僕が飲みました。「壽屋」、なつかしいですね。かつて酒場ではこの角瓶がカラになると、瓶の模様の筋に沿ってアイスピックで縦に穴をあけて、貯金箱にしたものです。「アイスピック」。僕の店にももうありません。酒場ではブロックの氷をアイスピックで割って使うのが、40年前は当たり前でした。製氷機などありませんでしたから。
復刻ボトルで忘れていたことを思い出しました。

そういえば、角のハイボールは全国的に流行っているようですね。小雪さんがテレビCMで「新潟の夜は角ハイ」とやっていましたが、あのCMは全国でやっていたのですか?僕は新潟だけだと思っていました。もしかすると、「神戸の夜は角ハイ」「青森の夜は、松江の夜は、秋田の夜は」などと、ご当地版CMがあったのでしょうか。

ところで、「酎ハイ」が居酒屋で定番の飲み物になっていますが、あれは焼酎をソーダで割った「焼酎ハイボール」の略ですよね。ウイスキーをソーダで割ったものが「ハイボール」。
半世紀前は「ウイスキーはハイボールに始まってハイボールで終わる」と、通人は言っていたものです。
酒にも流行りすたりがありますが、焼酎をウーロン茶で割って「ウーロンハイ」なんて言うんじゃないよ、とおじさんは思います。「ウーロン茶割り」というのが自然でよろしい。

「壽屋」というと、作家の開口健を連想します。彼は若い頃、壽屋の宣伝部にいたんですよね。
開口健の文章はすばらしい。多様なジャンルがありますが、大阪・新世界界隈での、モツの煮込みだったか、牛筋の煮込みだったかを描写した文章を読んだとき、よだれが出そうになりました。言葉の魔術師だと思いました。
近頃は食べ物の写真などでも、湯気が立ち、匂いまでも伝わってくるようなものがいくらでもあります。しかし、文章による描写がそれらを超えることを、開口健は証明しています。

登美ちゃん 娘さんの鼻ピアス。びっくりしたでしょうね。
「ヘナ(ヘンナ)」というのを知っていますか。植物から採取した天然染料で最近は、日本でも頭髪染料として売られているとも聞きましたよ。
インドでは、そのヘナで女性が手足に模様を描くことが伝統的なおしゃれとして普通です。
昨年、インド土産に持ち帰って、来店する女性客に描いてあげました。10日くらいで消えてしまうというのが、タトゥ(刺青)感覚を体験するにはいいようで好評でした。インドには、そのデザイン画のようなものもありますし、ヘナ師とでもいうような、客の手足に描く専門家もいます。
でも、鼻ピアスはさすがにびっくりしますよね。娘さんの鼻の穴はふさがりましたか?

# by yoyotei | 2009-11-18 21:53 |